活動報告
2019.7.1

【活動報告】ほっかいどう同窓会主催・北海道大学創成研究機構「研究室探訪」

                        2019年6月26日

                        ほっかいどう同窓会事務局

 

 

2019年度「研究室探訪」(創成研究機構)事業報告書

 

1.実施日時:2019年6月22日(土)9:30~12:15

 

2.実施目的:本事業は、ほっかいどう同窓会会員の研鑽支援、交流促進事業の一環として実施するもので、北海道大学の研究室を訪ね、その取り組みを学ぶとともに、学外の同窓生だけではなく学内の学生への研究の周知・広報支援を目的として実施

 

3.参加者 :14名(うち学生は7名の申込みがあったが4名のみ参加)

 

4.探訪研究室:①グローバルファシリティセンター、②圦本研究室(宇宙化学研究、JAXA地球外物質研究)、③ニコンイメージングセンター、④根本研究室(生命科学研究)、⑤中垣研究室(物理エソロジー研究)

 

5.実施概要:

・3回目となる今年度は、工学部、農学部に引き続き、北大北キャンパスの創成研究機構の施設や研究室を探訪しました。当日はあいにく雨模様でしたが、高等教育推進機構建物入口に集合し、15分程度歩いて創成棟に向かいました。最初の探訪先であるグローバルファシリティセンターでは、雨に濡れた頭や体を拭く手ぬぐいが用意されており、その心遣いに参加者のみなさん一同大変感激しました。

 

・今回も説明をされる先生や関係者の方々は、興味深い内容を分かりやすく説明していただくとともに、質問にも丁寧に回答いただき、参加者のみなさん大変感謝しております。

 

・また今回の研究室探訪には、会員のご家族の高校生も参加しており、進学する上で大変参考になったとのこと、事務局として研究室探訪の新たな有効性に気付かされました。

 

・今回探訪した創成研究機構は、「先端的融合的研究・学問の推進」、「経済・地域社会との連携とその発展への寄与」、「人材の育成」という3本の柱を全学を挙げて推進する先進的拠点で、研究開発とその成果の事業化がひとつのエリアで行なわれる「北大リサーチ&ビジネスパーク」と呼ばれています。今回は、この創成研究機構に所属する以下の5つの施設と研究室を探訪しました。

 

 

(1)グローバルファシリティセンター (GFC)

・当該センターは、北大が過去10年の間に培ってきた先進機器共用システムである「オ-プンファシリティシステム」をさらに発展させたもので、国際的な教育・人材育成拠点としても大きな役割を果たすことを目指しています。またGFCでは機器分析受託や試作サービス、機器利用のための技術指導等も実施しており、学内外(含む海外)研究者や企業研究者にとってひじょうに有益な施設、システムになっていることを学びました。

 

(2)理学院宇宙化学研究室(圦本尚義 教授、JAXA地球外物質研究グループ長)

・当該研究室では、地球内外の物質を正確に分析・解析することによって太陽系の起源と進化の解明を目指していること、そのための分析機器である2つの「同位体顕微鏡システム」の説明、さらには小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」のサンプル分析を行い、小惑星や太陽系の成り立ちを考えるうえでの大きな手掛かりをつかんだこと等を学びました。また隕石はその99%が45億6,700万年前、すなわち太陽系が誕生した当時のものが飛来したもので、そのすべてに番号が付けられているとの興味深い話しも聞くことができました。

 

(3)ニコンイメージングセンター(電子科学研究所)

・当該センターは、日本全国の研究者のための最新生物顕微鏡利用施設として、2012年に北大電子科学研究所で研究支援活動をスタートさせました。近年バイオイメージングの需要がますます増大するとともに、遺伝子導入技術や蛍光タンパク質による分子・細胞マーキング技術、そして顕微鏡などの観察機器の性能も飛躍的に向上しており、当該センターでは、大学や企業の研究者にそれらの高額な顕微鏡の利用を開放するとともに、高度な操作技術を用いて研究ができるよう操作方法の指導していることを学びました。

 

(4)電子科学研究所 生命科学研究分野(根本知己 教授、ニコンイメージングセンター長)

・当該研究室では、生体の世界最深部の断層蛍光イメージングが可能な高度な2光子顕微鏡の開発に成功し、1.6mm近くという深部まで到達して脳内神経細胞の“in vivo(ありのまま)観察”も可能になっており、今回ニコンイメージングセンターにおいて、私たちが普段観ることができない画像を見ることができました。今後、さらに新しいバイオイメージング技術を開発し、脳・神経系、内分泌・外分泌腺の生理機能のみならず、骨、がん、糖尿病等の疾患の分子機構の解明等にも応用していくとのことです。

 

(5)電子科学研究所 物理エソロジー研究室(中垣俊之 教授、電子研所長)

・当該研究室では、研究実験によって単細胞生物である粘菌という巨大アメーバが、迷路を解いたり、人間社会の鉄道網(関東エリア)に匹敵する交通網を設計できることを明らかにしました。中垣先生はこの研究によって、「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる「イグノーベル賞」を二度(2008年認知科学賞と2010年交通計画賞)も受賞しています。また今回の探訪で参加者達は、ゾウリムシ等の単細胞生物を携帯電話のカメラ機能を利用して見ることができる方法を教えてもらい、多くの参加者が自分の携帯にそれらの単細胞生物を写し、満足していた様子です。

 

以上

 

 

 

<北大創成研究機構「研究室探訪」写真集>

 

 今回の参加者14名中の12名(学生の参加者は4名)

 

1.グローバルファシリティセンター

 

岡機器分析受託部門長の説明を聞く参加者

 

吉沢オープンファシリティ部門長の説明を聞く参加者

 

2.理学院宇宙化学研究室(圦本尚義 教授、JAXA地球外物質研究グループ長)

 

圦本先生の説明を聞く参加者

 

 

同位体顕微鏡の説明をされる圦本先生

 

 

3.ニコンイメージングセンター(電子科学研究所)

4.電子科学研究所 生命科学研究分野(根本知己 教授、ニコンイメージングセンター長)

ニコンイメージングセンターの説明を聞く参加者

  

根本研究室の堤特任助教の説明聞く参加者

 

 5.電子科学研究所 物理エソロジー研究室(中垣俊之 教授、電子研所長)

   

中垣先生から粘菌の迷路解読の説明やゾウリムシ等の単細胞生物の説明を聞く参加者

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